硫黄島

見てきました。
ものすごく淡々としてた。扇情的な演出は殆どなく、静かに、粛々と話が進んでいく映画。戦争ってそういうものなのかなと思いました。何の前触れもなく敵の飛行機が飛んできて爆弾が降ってきて、さっきまで自分たちがいた建物やつい今しがた言葉を交わした人の肉体が吹っ飛んで、敵が去って行ったら次のそれに備える。軍人さんの命令に沿って弾丸の雨の中を走って、弾に当たったらまたそこで人が死ぬ。それをどっちかがいなくなるまでやる。それが戦争なんだと。これが現実だったんだと。それを伝えるには一番効果的な演出な気がする。画面の色彩が印象的でした。血液の黒い赤色以外殆ど色のない劇中の戦地と、最後の空のオレンジ色と、掘り出された手紙の紙や切手の色。西郷が生き残った姿にを見ても全然救われた気持ちにならないのに最後の手紙の山にすごく救いを感じさせられるあたりは、よくできてるなぁ。
きっとこれからもっと評価されていく映画なのでしょう。作品自体も、出演キャスト陣も。エンドロールがケンワタナベの次でびびったよ。本来私は戦争映画とか絶対見ない人*1なので、今回は二宮さんの今年最大のお仕事を見届ける為に観に行ったようなもんでした。ミーハーの極み。劇中の彼は相変わらず、最初からその世界のそこに彼はいたようなお芝居(もっと言うならお芝居である事を意識させない)で、それはつまり出来る子の出来るっぷりを再確認しただけのはずなんだけど、なんでだろう、舞台が大きい所為かなあ。こういう作品でこういう演技ができる人だというそれが分かっただけでも見る価値はあったなぁとか思ってしまいました。うーん。ダメな客だな。しかし何気なくこのオーディションを薦めたじゃにーさん*2はやっぱり凄い。

*1:お金払ってまでしんどい気持ちになりたくない派

*2:昨日ようやく本屋で見つけて購入した、かのボーダー表紙ピクトアップのインタビューで知った情報。ご本人の意思で応募したんじゃなかったんかい