野ブタ。8話

見ててグサグサきすぎて参った。これまでは「野ブタ。は普通に見ても面白いし萌え目線で見てもうはうはだし本当よくできたドラマだよねー」などと言いつつ見ていたのだけど、今回は萌えとか言ってる余裕なかったよ正直。


前回ラストは「わーいしょぼくれ亀さんイイ!」とか思う側面もあったけど、今回の修二(を演じる亀梨さんの表情)はいちいち生々しく暗くて、寄りで映るたびに胸が締め付けられた。そのうち修二が今の地位から落ちていくとこを見ないといけない、という予兆はずっとあったけど、ここまで突き落とすとは予想してなかったんですよ。あと謎だったいじめっ子がこのタイミングで、しかもこんな完璧な策をもって修二の前だけ正体を晒すってのも。信じてもらえないのが怖いからと避けて通った道の先で自分が信じてもらえなくなる。今まで努力して作り上げてきた自分の姿が、1つの選択ミスで全部崩れてしまう。薄っぺらい関係だと自ら認識していたのに、失ったら本当に寂しくて悲しい立場になってしまった。今まで自分が造ってきた姿・やってきた行動を、周りから否定され、尚且つ自分で選択した結果である以上、自分でも否定するしかない状況。そこへ見えなかった敵が自分一人の前に姿を現す。自分の言葉が届かないという自覚。うへぇーつらい。ラストこのまま終わったら今回キツいなと思ってたけど、あの紐のシーンで救われた。糠床に想いを埋めて「野ブタと俺」じゃなく「俺と修二と野ブタ」を選んだ彰が、2人と肩組んで、一緒に帰ろうって言うのも良かったなー。お土産の豚、真ん中だけ倒れてたのが立ち直って映ったカットもグッときた。
このドラマはいつも大事な台詞やメタファーがそれぞれ細い伏線としてキレイに張られていて、それが明らかになる時もごくさりげなく、けど印象的に表現されていて見事だなあ。5話でまり子が修二に言ったのと同じように「大事な人が信じてくれていればいい」という感情を理解した修二君が、次回からどう動くか。修二を信じるほうを選んだ野ブタも多分そのうちすぐ蒼井の正体には気付くだろうし、はてさて。楽しみです。